父と将棋

今年のお盆はコロナ禍のため、いつもより静かで寂しい行事となりました。

千葉に住む妹家族には、父から帰って来ないように伝えたそうです。

先月13日に両親と私の3人でお墓参りをし、藤原の郷のレストランでお昼を食べました。

さて、食後の昔話の中で、母の口から、父は将棋が強かったという言葉が出てきて

ちょっとした驚きがありました。

 

父は中学卒業後、出稼ぎなどでいろいろな仕事して、市役所の臨時職員となり、

その後、正職員になって水道事業所の技能労務職員として定年まで働きました。

学歴がないこと、遅い年齢で正職員になったこと、採用職種の違いなど

いろいろ要因はあったのでしょうが、役職が付いて昇進することはありませんでした。

 

退職の日まで、暑い日も寒い日も土日祝日関係なく、毎日現場で泥だらけになって

働き続けた父を私は尊敬しています。

ただ今までそれは、父が勉強が苦手で嫌いだったからというところが大きいかなと

勝手に思い込んでおりました。

 

ところが父の将棋の腕前はかなりのものだったと聞きましたので、

決して勉強ができないわけではなかったのではないかと思い直しました。

高校に進学して勉強する機会を与えられなかったからではないかと。

もちろん将棋の腕前と学校の成績はイコールというものでもないのでしょうが、

少なくとも勉強ができないから外の現場の仕事だけしてきたというのは

一方的な思い込みだと気付かされました。

 

現在、私が中学生に受験数学を教えていることも、もしかしたら、

父のほうの血筋なのではないかと勝手に思っています。

もしも父が高校に進学して勉強できる環境であったなら、

また違った人生になっていたのかもしれません。

そうしたら出稼ぎ先で母と出会うこともなく、

私たち兄妹はこの世に存在していなかったかもしれません。 

「父さん、やっぱりぼくは父さんの息子で良かった。」